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馬場博幸研究室HomePage

分散エネルギー資源活用工学

再生可能エネルギーのうち主力である太陽光発電などの自然変動電源(VRE)は、人為的な出力コントロールが難しいことから、電気自動車の充電などがVREと協調動作する”電力の使い方”も同時並行的に検討・導入を進める必要があります。当研究室は、IoT技術を活用してこれに対する解決策を研究開発し、産学連携によりその社会実装を目指しています。

DER動作確認支援ツール

DER動作支援ツールのご紹介

概要


 DER動作確認支援ツールとは、「需要側電力システム研究会」の「ドライバーWG」での検討を通じて開発した、DERへの遠方操作指令に対する通信応答と、DERの実動作の差異の検出を支援するツールです。

 スマートホーム規格の ECHONET Lite 等に対応している蓄電池やエコキュート、エアコンやV2HなどのDERは、製造元メーカーによらず、同一のフォーマットで遠方操作の指令を指示することができます。他方で、遠方操作要求に対するDERのICT応答と、DERの実動作に差異が生じる場合があります。差異の発生箇所はDER機器・メーカー・ファームウェアバージョンごとに異なることが考えられ,この差異の把握が課題になると考えました。本ツールは,DER機器のどの操作で差異が発生するのかの容易な把握を支援します。

できること


 ECHONET Lite に対応したDERに対して、ECHONET Lite経由のプロパティの設定(SET)、モニタ(GET)を実行できます。例えば、蓄電池の運転モードの切り替え設定や充電電力設定値のモニタなどが可能です。本ツールを用いることで、環境構築の手間を最小限にしてDERの動作確認・差異の検出を実施可能です。

 本ツールは下図のとおり、ECHONET Lite 規格の通信に対応した、外部サービスのAPIを実行します。そのため、ご利用には対象サービスのAPIを利用いただく必要があります。2024年3月14日現在、本ツールは以下のAPIサービスの実行に対応しています。

- IoT-HUB API
- Nature Remo E Cloud API
DER動作確認支援ツールの構成
図: DER動作確認支援ツールの構成

使い方


 本ツールは、ソフトウェアを管理するウェブ上のプラットフォームである GitHubにて公開しています。本ツールはMITライセンスにて公開していますので、ライセンス規約に準拠の上でご利用ください。本ツールの詳細動作は、GitHubレポジトリのReadme.mdに記載がありますのでご確認ください。

 また、「需要側電力システム研究会」では、DERのICT応答と、DERの実動作に差異が生じる具体例を整理し、DER活用を検討されている方に「共有知」として公開したく考えております。具体例をあらたに発見した場合は、ぜひGitHub上のissueに共有いただき、「共有知化」にご協力ください。

DER動作確認支援ツールはこちら(https://github.com/takuroumi/der_tester

準備


 本ツールのご利用に向けて、対象サービスのゲートウェイおよびAPIサービスを利用いただく必要があります。各APIサービスに関するお問い合わせ先は以下のとおりです。

  1. IoT-HUB (IoT-EX株式会社:https://www.iot-ex.co.jp/
  2. Nature Remo E (Nature株式会社:https://nature.global/business/

参考


  1. 海原拓朗,今中政輝,馬場博幸,「DER機器の遠方操作における通信応答と実動作の差異検出支援システムの開発」,電気学会2024年全国大会,4-216,2024.3